娘夫婦への提言:「持ち家」か「賃貸」か。結論の出ない永遠の論争に、一つの答えを。

「持ち家」か「賃貸」この問題はなかなか結論の出ないよね。

「持ち家」か「賃貸」か。この問題はなかなか結論の出ない、常に炎上する話題ですね。
これまでの日本では、「家賃はもったいない」「一国一城の主になれ」という、一見金額的なお得さと感情的な欲求で若い夫婦に購入を勧める風潮が強くありました。

これは、私たち親世代がそういった「持ち家信仰」という洗脳にも近い時代を生きてきた証でもあると私は思います。

私はたまたま転勤が重なり、現役時代に持ち家を買う機会がありませんでした。
同期が次々と家を買うのを横目で見ながら過ごしてきましたが、羨ましいと思ったことはありません。

結局、私は定年後に「終の住処」を求めて家を建てたわけですが、今、この選択に心から満足しています。
結果オーライではありますが、この「後出しジャンケン」のような選択こそが、最も成果を生んだと確信しています。

今回はその理由を、娘夫婦への提言として説明していこうと思います。

結論:現役時代は「流動性」を、老後は「居住性」を最大化せよ

私の提言は一貫しています。

「現役時は賃貸で身軽に稼ぎ、積立投資で資産を築け。そして人生の最終盤で、その時の自分に最適な家を『現金一括』で手に入れろ」

これが、リスクを最小化し、リターンを最大化する最強の戦略です。


1. 簿記の視点:その「城」のオーナーは誰か?

「一国一城の主」になる。なんだか家を買って初めて一人前になった気がするかもしれません。
しかし、家を買った瞬間、君たちの貸借対照表(B/S)には「建物・土地」という資産とともに、「住宅ローン」という巨大な負債が載ります。

不動産屋は「ローンを組めば将来財産になる」と言いますが、これは半分本当で、半分は誤魔化しです。

  • 家は「消費財」である: 日本の木造住宅は、20年も経てば資産価値はほぼゼロ(土地代のみ)になります。資産が目減りする一方で、負債の返済が追いつかない「債務超過」のリスクを長期間背負うことになります。
  • 城主は「銀行」である: 抵当権がついている以上、その家は実質的に銀行の持ち物です。君たちは家賃の代わりに「利息」という上納金を払い、銀行の所有物に住まわせてもらっている「小作人」に過ぎません。

ローンが終わる頃、財産になるのはその土地だけで建物には価値はありません。
特に郊外の一軒家などは、ほとんど資産価値が残らないのが現実です。

2. 感情の視点:思い出は「箱」ではなく「時間」に宿る

「子供に実家を作ってあげたい」という願いは尊いものです。
しかし、子供たちが大人になって思い出すのは、家の間取りや壁の色でしょうか?

違いますよね。
そこで交わされた会話、成長を共にした時間、家族で出かけた旅の記憶。
つまり「共に過ごした時間」です。

高いローンを返すために余裕をなくし、働く時間を増やして家族との時間が少なくなり、笑顔が消えるのだとしたら、その「城」に何の意味があるのでしょうか。

思い出は家族が作るもの。場所を固定せずとも、最高の時間は作れます。

3. ロケーションの現実:利便性か、見栄か

賃貸と持ち家では、立地条件が根本的に異なります。

  • 賃貸は「利便性」: 借り手が必要なため、駅近や買い物に便利な場所に建ちます。
    職場に近いところに住めば、通勤時間を短縮して家族との時間を確保できます。
  • 持ち家は「郊外」: 駅近マンションが高騰した今、持ち家を求めるなら郊外になりがちです。家のクオリティーは高く、身分的にはいい気持ちになりますが、その代わり利便性は落ち、通勤時間は長くなり、車も必須となります。

質の高い家であっても、20年で価値は無くなります。一方で、失った「通勤時間」は二度と戻ってきません。

4. 数字の現実:金利1.0%と「7%運用」が分かつ未来

現在、住宅ローンの変動金利も1.0%を超える局面に来ています。
3,500万円を35年借りれば、利息だけで約650万円、維持費を含めれば物件価格+1,500万円以上が消えていきます。
金利は今後さらに上昇することが想定されます。金利負担は増えるってことです。

住宅ローンという利息を払う代わりに、そのお金を「オルカン(全世界株)」に投じたらどうなるか。
例えばローン返済13万円と賃貸家賃10万円の差額3万円を、期待利回り7%で35年間積み立てると、5,200万円を超えます。

  • 持ち家派: 35年後、手元に残るのは「郊外の価値は土地代だけの古家」。
  • 賃貸&積立派: 35年後、手元に残るのは「好きな家をキャッシュで買える5,000万円」。

35年後を見据えた人生設計ということになるね。

特に最近は投資環境が整ってきたから、NISAを活用すると私たち一般人でも金融資産を持つことができるのは大きいね。

私の若い頃はこういった環境はなかったから、今の若い人にとっては勝ち筋だね。
私たち親世代にはなかったこの投資環境を利用しない手はありません。

5. 自由という最大資産を売ってはいけない

私が一番伝えたいのは、「目先の安心感のために、人生の手綱を銀行に渡すな」ということです。

「一国一城の主」とは、不動産を持つ人のことではない。

自分の意志でどこへでも行け、何にでも挑戦できる「人生の主導権」を握っている人のことです。

君たちには、銀行の帳簿を埋めるための労働ではなく、自分たちの夢と自由を膨らませるための人生を歩んでほしい。
35年後、分厚い資産を背景に「さて、どこの街で余生を過ごそうか」と笑って選べる自由。
それこそが、私が君たちに伝えたい「本当の資産」なのです。

家は人生の目的ではありません。

自分と家族が笑顔で過ごすための「道具」に過ぎないということを、忘れないでください。

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